赤ワイン 「私はどちらかと言えば、肉やチーズなど味のしっかりした食べ物とあいまわ。魚などの生臭い料理とは少し相性が合いませんの……」
日本酒 「馬鹿言っちゃぁいけねんよ、酒に料理を合わせるだなんてもっての外。江戸っはテメエの指しゃぶったって酒飲めるってぇんだからな。」
ビール 「男は黙って生ビール。」
麦焼酎 「あの日の僕が置いてきたものは何だったんだろう。」
日本酒 「たそがれてる場合じゃあねぇってんだよ。」
ノンアルコールビール 「あれ?入口を間違えちゃったかな?」
麦焼酎 「あなたが、今流行りの酔わない酒というものですな。」
日本酒 「なにィ?酔わない酒だぁ?そんなんは酒でも何でもねェつーの」
麦焼酎 「彼も麦一〇〇%の本格派なんです。私も麦でできてます。彼とは遠い親戚のような気がしてなりません。」
日本酒 「あのなァ焼酎の親方よ、寝ぼけたこと言っちゃァ困るぜ、麦由来なら親戚だってぇんなら、麦一〇〇%の麦茶なんて兄弟やら何とやらになっちまうぜ。」
赤ワイン 「熱くなっちゃってやァね。なんだか男臭いわ。男臭い!」
ノンアルコールビール 「それより皆さん、この部屋ずいぶん酒臭くはありませんか?」
<完>
天外黙彊

往復小説#6:「酒場にて」(掌編)
発信者:天外黙彊 赤ワイン 「私はどちらかと言えば、肉やチーズなど味のしっかりした食べ物とあいまわ。魚などの生臭い料理とは少し相性が合いませんの……」日本酒 「馬鹿言っちゃぁいけねんよ、酒に料理を合わせるだなんてもっての外。江戸っはテメエの
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