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カテゴリー: 往復小説

天外黙彊:往復小説#5:公園のはなし

「ワン!ワン!」

ポチは飼い主のタダオの手綱を強く引いてかん高く吠えた。

「ダメダメ。公園にお前を連れ込むわけには行かないのだよ。ほら。」

公園入口に設置された“利用者案内”をタダオは指差した。全力で手綱を引くポチに構わず、タダオは改めて案内板に目をやった。

お知らせ:往復小説#3-1:ちいさな嘘

往復小説#3の2が投稿されました。

執筆者:MASATO氏

※往復小説は共同執筆や連作ではありません。一話完結の小説となります。放たれた小説に対し筆者がどう感じ、どう視点をもったかそこはかとなく感じていただければ幸いです。

往復小説#3:短編:いただきます

泣くとは思わなかった。

人が何を思って泣くか、わからないものだと彼は思った。

自分にとっては単なる無意識の行為、習慣に過ぎない。

とても泣くほどのこととは思えないが。

それでも堅い表情に鋭い眼光を宿した彼女は自ら想像だにしなかったほど泣いていたし、その様に彼は激しく胸を動かされる。

彼女は顔を真っ赤にし、何事かと自ら狼狽え、慌てて手で涙を拭う。

彼が癒やされたとも知らずに。