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随筆:師の訃報に触れ

訃報

本日、泰永会公式サイト(https://taieikai.jimdofree.com/)で公開されたように、令和元年十二月十五日の日曜日に師である野尻泰煌先生が急逝されました。

二人の師

師に先立たれるのはこれで二人目であり最後だと思います。書を始めたのは小学二年生時、母から「左利きを直させたい」という如何にもな時代感覚で預けられたのが始まりです。大人になり亀井鳳月先生がご高齢になった関係で心を尽くしてご紹介いただいたのが野尻泰煌先生とのご縁です。亀井先生のところで約二十年。野尻先生のところで二十三年になります。

心境

意気消沈というより「意味がわからない」というのが正直な気持ちです。生前先生から「おとっちゃんがもしもの時は、悪いんだけど君江さんの時みたいに手伝ってよ」と言われていたました。お父様のお手伝いを忙しなくこなしながら「だから昔のお葬式は無闇矢鱈に大変そうだったんだ」とか「家族葬ですらこんなにやること多いの? だからか」や「核家族化の弊害だなぁ、今度、藝文對談ともえのテーマにしよう・・・あれ、そうか先生死んだからテーマのキュレショーンはもういらないのか・・・」とか「お父さんの境遇を思うと先生にムカツクな、義理でも絶対に先に死ぬことは無いってこの前も言ってなかったか?」等、様々なことが想起される一方で「ところで俺は何をやっているんだ?」と疑問が浮かんできて「先生の葬儀準備」と認識しては動揺して涙が突然出てきては直ぐに先生の言葉が思い出されます。「認識力の低下だよマッチャン」と。「認識力、認識力だ、認識力」と内心繰り返しピタリと涙が止まる。そうした感覚をオールで漕ぐように行ったり来たりを繰り返した数日でした。後頭部が今朝より原因不明の炎症をしており現在も触れずとも痛い。また睡眠不足や疲労から来る自律神経失調により左目が開いていられず、今もこの記事を右目だけ開けてタイプしています。昨夜は目眩が。それでも十九日に無事お別れ会を済ませ一息ついてます。

今後

先生に関しては1月迄を目処においおいやる予定です。私は幸いにも独り立ちするだけの言葉や指針を得られました。何せ2018年初頭に先生から泰永会運営の勇退の勧めもあったほど。当初は名誉的立場で会の仕事は全て隠居、自らの会である鳳煌会の充実と、何より書作品や小説等、作家活動の本格化を開始する予定でした。ところが2018年末に突然の延期勧告。妙なものです。それでも2020年もしくは遅くとも近年中に自主勇退するつもりでした。故人の依頼により2020年に泰煌作品集をフルカラーで出版をする予定でしたが、そこが区切りで目処でした。制作にしかかる目前でした。奇しくも第三十回記念泰永書展作品集が二十日着予定で、二十二日に作品集をもって伺い、その簡単な打ち合わせもするつもりでした。

おわりに

課題は沢山もらってます。直近でも「こんは筈は無いなんて事実を受け入れられないようなら、これからの時代は生きていけないよ。これからはもっと変転していくんだから」といったことを言われ「是(ぜ)ですね!」と返すと「まさにそうだよ!」と会話したばかりでした。やることは余りにも多く全てをクリアするには来世があっても難しいかもしれませんが、少なくとも先生の本は完成させたい。じゃないとあの世でも書かされそうです。随分昔に「たとえマッチャンが死んでも僕のことは書いてもらうからな!! 覚悟しろ!!」と怒鳴られたので。(笑)直近に「マッチャンにはいずれでいいから野尻泰煌論を書いてもらいたいなぁ。何せマッチャンほど僕を理解したのは君江さん以外居ないから。長い分だけマッチャンは君江さんより深い部分で僕を理解していると感じるよ」と言われました。「はい」と答えたばかりです。

先生と

最低でも課題が終わるまで関係性は終わりそうにありません。先生は物理的存在としては確かに亡くなりました。死に触れました。でも、この度の死はまさに先生が望んだ「未完の完」です。生前仰ってた言葉に「出し尽くしてカスカスになって死ぬのは僕はヤダな。どうだ! この書はまだ勃起しているだろ! そういう作品を書きながら死にたいね。まだ終わらない、まだ終わっていないという未完の状態で大きく終わりたいね。実際はその頃には一滴も出ないんだけどね」(大笑)

先生はまさに生きています。作品の中で。教えの中で。いい加減、私を楽にさせて下さい。(笑)これからもよろしくお願いします。

松里鳳煌

Published in文筆

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