「ワン!ワン!」
ポチは飼い主のタダオの手綱を強く引いてかん高く吠えた。
「ダメダメ。公園にお前を連れ込むわけには行かないのだよ。ほら。」
公園入口に設置された“利用者案内”をタダオは指差した。全力で手綱を引くポチに構わず、タダオは改めて案内板に目をやった。
「ワン!ワン!」
ポチは飼い主のタダオの手綱を強く引いてかん高く吠えた。
「ダメダメ。公園にお前を連れ込むわけには行かないのだよ。ほら。」
公園入口に設置された“利用者案内”をタダオは指差した。全力で手綱を引くポチに構わず、タダオは改めて案内板に目をやった。
よく晴れた夏の日。
世界は力強さに溢れていた。
自然の英気を浴びながら、不意に最後の時を思う。
ある晴れた朗らかな日曜日。
道を歩いていると少年は力を得たと実感した。
花粉症に耐え抜いたご褒美だろうか。
理由はわからない。
実感としてある。
でも、少年は慎重だった。
今の力をもってすれば、くしゃみ一つ、放屁一発で町を破壊出来そうな感覚があるからだ。
夕暮れ時、風をきる音。 息が白い。 「またやっ…
ある村で化物が話題になっていた。
闇夜に紛れ、神社へ向かう山道の石段を登るという。
「食われちまうぞ。近づかない方がいい。」
噂はあっという間に広がる。
ある日、諸用で遅くなった村人がその場所を足早に通り過ぎようとする。近道だった。
「こわやこわや」
何かに気づき足を止める。
硬いものが石を叩く音だ。
音は次第に大きくなる。
脱サラして探偵になった。
手に職をつけたかったからだ。
ブラック企業はもう真っ平。
ほとんど衝動的だったが案外馴染んでいる。
こういう職業をやっていると色々な人がやってくる。
人生色々なんだと毎度考えさせられる。
最も印象的な案件が何かと問われたら間違いなくアレだろう。
”鶴子 ”
往復小説#3の2が投稿されました。
執筆者:MASATO氏
※往復小説は共同執筆や連作ではありません。一話完結の小説となります。放たれた小説に対し筆者がどう感じ、どう視点をもったかそこはかとなく感じていただければ幸いです。
2018年5月27日の日曜日。南浦和の鵞毛堂さんにて練成会に参加する。電車では旅気分を味わい、駅からはスマホのGPSと首っぴき。長閑な景色の中、懐かしさを抱えつつ歩く。外は初夏の陽気で風が心地いい。ロングスリーパーの私にとって三時間の睡眠は堪える。息苦しくならないよう通常15分程度の道のりを30分かけ遅々として歩み目的の会場へ。
泣くとは思わなかった。
人が何を思って泣くか、わからないものだと彼は思った。
自分にとっては単なる無意識の行為、習慣に過ぎない。
とても泣くほどのこととは思えないが。
それでも堅い表情に鋭い眼光を宿した彼女は自ら想像だにしなかったほど泣いていたし、その様に彼は激しく胸を動かされる。
彼女は顔を真っ赤にし、何事かと自ら狼狽え、慌てて手で涙を拭う。
彼が癒やされたとも知らずに。
2018/4/21sa 国際藝術文化協会 の半年に一度の会合へ参加。この会合では毎度様々な分野の専門家の皆様が持ち回りで講話をして下さる。文字通り様々で、今回はなんと
「RAP」
往復小説とは、短歌における返歌、歌のコミュニケーシ…
「サンタさん来るかな?」
今日はクリスマス。
街は色づき華やいでいる。
娘の父親が失踪して1ヶ月が経つ。
彼は何時もこう言っていた。
「俺は猫みたいに死にたい」
そういう意味だとは思わなかった。
届けは出したけど諦めている。
写真家ゾルタン・ガアル氏のお力添えと、呼びかけに応えていただいたケチュメート・青森友好協会、本展開催にご尽力いただいたハンガリー・日本友好協会の会長並びに会員の皆様、博物館をはじめとした関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。
出会いは本人より作品が先だった。師の奥方より泰永書展を託された年、作品選別を手伝っていた最中にそれはあった。二×八尺横に書かれた流麗で美しい八分隷。目を奪われた。書作品で感動を得たのは師に次いで二人目。次々に選別される作品を見て、師への不躾を承知の上で「いただいてもいいですか?」と尋ね、次点を持ち帰ることが叶う。自室の欄間に飾り一人感動に浸る日々。「どんな人だろう」想起せずにはいられなかった。その年の書展で出会った際に、古典”名を聞くより”にあるように大きく乖離を感じる。それが森寛翠という書家を余計に私に刻むこととなる。